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製品プロバイダー対象の自己評価アンケート(SAQ)の変更点

最終更新日:4月21日(金)

※本記事内の内容は改善の進捗状況により変更される可能性がございます。

現在Sedexでは、会員がリスクを発見し、労働条件を改善するための評価ツールである製品プロバイダーを対象とした自己評価アンケート(SAQ)の改善に取り組んでいます。 この記事では、現在、SedexがSAQ改善に取り組んでいる理由と、改善内容が会員に与える影響について説明します。

自己評価アンケート(SAQ)とは何ですか?

自己評価アンケート(SAQ)は、企業がビジネス慣行、管理システム、方針、および労働者に関する情報について記入するための一連の質問です。 サプライヤー会員はこの情報を複数のバイヤー会員と共有でき、バイヤー会員はこの情報を使用して、サプライヤー会員が国際的な労働基準を満たしているかどうかを理解できます。

製品プロバイダーとは何ですか?

製品プロバイダーとは、原材料から完成品まで、顧客のために物理的な商品を製造するサイトを指します。 (例:衣料品製造、電化製品、農業など)。これは各会員アカウントに登録されるサイトのプロフィール内にある、「業種」項目において選択される情報です。

製品プロバイダーのほかに、サービスプロバイダー、労働プロバイダー(人材派遣業者)、および代理店(仲介会社/商社)の業種が存在しますが、これらの今回のSAQ改善の対象外となります。

SAQ に変更を加える理由

私たちは、SAQからさらに多くの価値を提供する方法を探るために、バイヤーおよびサプライヤーの会員と協力してきました。

  • バイヤー会員にとっては、SAQの情報が自動的にリスクスコアを生成し、どのサプライヤー会員が最も改善を必要としているのか、優先順位を付ける方法として企業に役立っていることがわかりました。
  • サプライヤー会員にとっては、マネジメントコントロールレポートからのフィードバックを利用してビジネス慣行を改善したり、SAQをSMETA監査の準備に役立つ事前監査ツールとして有用であると考えていることがわかりました。

会員がSAQに価値を見いだしている一方、サプライヤー会員がSAQを完了するための情報を収集に課題を感じることもわかりました。 そのため、SedexはSAQを簡素化して、サプライヤー会員がより簡単にSAQを完了できるように改善を行うことに決定しました。 これにより、バイヤー会員がSAQに関連するレポートにより早い段階でアクセスできるようになると同時に、企業が必要とするすべての貴重なデータを提供することが可能になります。

サプライヤー会員です。新SAQにて、どのような改善が期待できますか?

  • SAQの完了が容易に – 既存のSAQには、リスクアセスメントに関連しない質問も存在しましたが、これらの質問の数を大幅に削減し、収集が困難なデータを必要とする質問の数を減らしています。 また、サプライヤー会員にはSAQを完了する方法に関するガイダンスと指示が提供される予定です。
  • デザインの改善とパフォーマンスの向上 – サプライヤー会員は、より優れたユーザーインターフェイスと改善されたページの読み込み時間を備えた新しいプラットフォームでSAQを完了することができるようになります。
  • 各質問が尋ねられている理由をより明確に理解できるように –各質問の横に、質問が尋ねられている理由と、この情報が会員にとってどのように役立つかを明確にする説明が追加されます。
  • 時間の経過に伴う進捗状況を確認できるように – サプライヤー会員は、SAQを完了するたびに進捗状況を追跡できるため、積極的な行動を取ることのビジネス価値を実証するのに役立ちます。
  • 具体的な改善事項がわかるように –完了すると、サプライヤー会員は労働搾取を防ぐために実行できる実際的なアクションとともに評価結果を確認できるようになり、SMETA監査の準備を改善するのに役立ちます。
  • 複数サイトを持つサプライヤー会員の回答が容易に – 複数のサイトを持つ企業は、本社レベルで質問の75%を完了し、これらを複数のサイトに適用できます。

バイヤー会員です。新SAQにて、どのような変更が期待できますか?

  • SAQの回答が容易になることにより、よりはやく評価を進めることができるように – 既存のSAQには、リスクアセスメントに関連しない質問も存在しましたが、これらの質問の数を大幅に削減し、収集が困難なデータを必要とする質問の数を減らしています。これにより、バイヤーはより短い期間でSAQにアクセスできるようになるでしょう。 また、サプライヤー会員にはSAQを完了する方法に関するガイダンスと指示が提供される予定です。
  • 移民労働者の採用と住居に関するデータ可視性を向上 – SAQから得られるリスク評価結果を強化するために、移民労働者の採用方法と彼らの住居の基準についての質問が追加されます。
  • SMETA要求事項との連携を改善 – SAQは、SMETA監査レポートのセクションに沿うよう構成され、サプライヤー会員と監査員がSMETA監査の準備を改善するのに役立ちます。 監査での不適合がSAQで提供された回答と矛盾している場合は、それがわかりやすくなります。

新しいSAQでは、次のような他の利点をもたらすことも目指しています。

  • SAQ進捗状況を追跡するためのレポートを改善 – サプライチェーンの目標を設定し、改善をサポートするのに役立つ新しいKPIダッシュボードを開発しています。 会員は、前に回答されたSAQと比較し、時間の経過とともに行われた改善を監視できます。
  • データの信頼性を向上 – SAQをSMETAとより連携させることで、SMETAレポートを自動的に事前作成し、監査時に見つかった矛盾を見つけやすくすることも可能になり、SAQデータへの信頼が高まります。

いつ製品プロバイダー向けの新SAQがリリースされますか?

会員とともに試験運用し調整する時間を確保できるように、段階的なアプローチで新しい製品プロバイダー向けSAQをリリースする予定です。尚、下記はタイムラインはあくまでも予定であり、今後変更される可能性があることをご了承ください。

  • フェーズ1– 2023年5月17日 : 新SAQ は、新規サプライヤー会員の製品プロバイダーサイトと、既存サプライヤー会員のSAQ完了率が0%の製品プロバイダーサイトにリリースされる予定です。
  • フェーズ22023年Q3(7月 – 9月) : 新SAQは、残りのすべてのサプライヤー会員とバイヤー、バイヤー/サプライヤー会員の製品プロバイダーサイトにリリースされる予定です。
  • フェーズ3 2023年後半 : バイヤー会員向けのKPIダッシュボードと、SMETAレポートにSAQデータを事前入力できるようになる予定です。

変更に向けて準備できることは何ですか?

プラットフォームとツールの更新に関するウェビナーを定期的に開催(英語)していますので、ぜひご参加ください。変更点をより詳細に把握し、新しいSAQに関する質問をするのに役立ちます。さらに、eラーニングプラットフォーム、ガイダンス文書、FAQを更新予定です。

新しいSAQに含まれる質問のリストをご希望のバイヤー会員様は、担当のリレーションシップマネージャー、またはこちらのメールアドレス(sedexplatform@sedex.com)までお問合せください。   

よくある質問

新SAQがリリースされたあと、現在のSAQはいつまで有効ですか?

製品プロバイダー対象の新SAQがリリースされた後、現在のSAQはプラットフォーム上(Sedex Advance、Analytics、Radar)で6か月間(移行期間)表示される予定です。新SAQリリースと同時に、現在のSAQは読み取り専用となり編集はできませんのでご注意ください。

たとえば、2023 年 4 月に新しい SAQ がリリースされた場合、2023 年 10 月までそのサイトの古いSAQ を表示およびレポーティングできます。

6か月後、古いSAQデータは削除され、SAQ回答者は新しいSAQを完成させる必要があります。

新SAQがリリースされた後、必ずSAQを再完了する必要がありますか?

すべての製品プロバイダーサイトは、新SAQが利用可能になった時点でその回答を進めることを推奨します。 この理由として、一般的なアドバイスとして、SAQは6か月ごとに更新される必要があるからです。

サービスプロバイダー、労働プロバイダー(人材派遣業者)、および代理店(仲介会社/商社)タイプのサイトは、今回の変更の対象外となるため、引き続き既存のSAQを利用できます。

既存のSAQの回答は新しいSAQに引き継がれるのでしょうか、それとも再入力が必要なのでしょうか?
既存の回答は新SAQに引き継がれないため、新SAQには改めて回答いただく必要があります。理由としては、新SAQの質問は既存SAQの質問と異なるためです。

新SAQの質問数を教えてください。
最大質問数は、286から158に減少します(57%の減少)。新SAQでは、新しい機能として、会社の労働者数により質問が割り当てられる仕組みとなります。例えば、10人未満の小規模な会社の製品プロバイダーサイトに割り当てられる質問数の上限は52問となります。

新しいSAQはどの言語で利用できますか?

今回のローンチでは、英語、中国語、スペイン語、日本語、トルコ語、ベトナム語がリリースされる予定です。

既存のSAQのように、新SAQもエクセルでダウンロードし、オフラインで完了することはできますか?

予定してはいませんが、現在SAQをオフラインで完了するための方法を検討しています。

自分のサイトが製品プロバイダーかどうかを確認するにはどうすればよいですか?

下記の手順でSedex Advanceにアクセスし、確認してください。

  • 「会社」タブから「自分の会社」を選択します
  • [施設/工場情報]までスクロールダウンし、該当するサイト名を選択します
  • 「業種」というタイトルのフィールドがあり、あなたが製品プロバイダー、サービスプロバイダー、労働プロバイダー(人材派遣業者)、または代理店(仲介会社/商社)のいずれを選択したかが表示されます

業種を変更したい場合は、ページの下部にある[編集]を選択し、この情報を編集できます。

サービスプロバイダー、労働プロバイダー(人材派遣業者)、および代理店(仲介会社/商社)タイプのサイトは、今回の変更の対象外となるため、引き続き既存のSAQをご利用ください。

新SAQリリースにより、リスクスコアは変更されますか?

新SAQは新しい質問となるため、リスクスコアが同じであるとは限りませんが、現在のスコアとは大きな差異がない予定であり、どちらのSAQに回答したかに関係なく、リスクスコアを使いサイトを比較することできます。 サイトの新しいリスクスコアは現在と同じリスクレベル (High, Medium or Low) に収まる予定ですが、数値はまったく同じではない可能性があります。

新SAQ において、リスクスコアを算出するための最低完了率はありますか?

いいえ。既存のSAQでは、SAQ完了率が100%でないとバイヤー会員が閲覧できるリスクスコアは算出されませんでしたが、新SAQでは回答される質問が多いほど、フィードバックとリスクスコアはより正確になる仕組みとなります。 新SAQは、改善すべき領域について会員に正確なフィードバックを提供するように設計される予定ですが、それはサイトが完全で正直な回答を提供する場合にのみ機能します。

新SAQの完了にはどのくらい時間がかかりますか?

パイロット期間中、ほとんどのサプライヤー会員は1時間から半日かけてアンケートの回答を完了させました。 アンケートの長さは、企業の規模や、サイトの状況における重要な要素(たとえば、労働者の宿泊施設を提供しているか等)によって異なります。小規模な企業は大企業よりもアンケートに費やす時間が少ないと予想されます。

Sedexは、会員が新SAQを完了することを奨励するためのサポートを提供する予定ですか?

新SAQをリリース後、すべてのサプライヤー会員に通知し、SAQを完了するための移行期間(6か月間)のリマインダーを通知します。 会員が質問をしたり、サポートを受けたりするためのトレーニングウェビナーも開催予定(英語)です。

新SAQはバイヤー会員にどのような影響をもたらしますか?

バイヤー会員には、サイトが完了したSAQに応じて、レポート上に新旧のSAQが表示されます。 すべてのサイトにおいて、同じタイプのリスクスコア、完了率、最終更新日が表示されます。サイトが新SAQの回答をし始めると、製品プロバイダーサイトの労働者人数も表示されます。

2022年にSMETA監査を予定していますが、何か準備する必要がありますか?

SMETA監査がスケジュールされている時期に応じて、監査員がサイトに到着する前に、SedexアカウントにあるSAQを完了または更新しましょう。 SMETA監査が行われるときは、常に最新のSedex SAQに回答しておくことを推奨します。 監査員がいつ何を見る必要があるかについて疑問がある場合は、関連する監査会社に相談してください。